越前焼の歩み
History of the Echizen ware
HISTORY OF THE ECHIZEN WARE
History of the Echizen ware
HISTORY OF THE ECHIZEN WARE
越前焼の歩み
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平安時代後期
越前窯は平安時代の終わり、12世紀末に常滑窯・猿投窯など東海地方の技術を導入して始まりました
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室町時代後期
越前焼は、壷・甕(画像1)・すり鉢を主力製品として室町時代の後期には日本海側で最大の窯業地へと発展、北海道から島根県に至る広い範囲で流通していました
北海道上ノ国町の勝山館からはすり目が摩滅するまで使い込まれた大量の越前焼すり鉢が出土したほか、日本を代表する中世都市遺跡である福井市の一乗谷朝倉氏遺跡からは越前焼の薬研やおろし板、さらには藍染めや貯蔵に使われた大甕・特注品と思われる茶道具などが出土しています
【画像1】越前窯《大甕》室町時代(16世紀)
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江戸時代
江戸時代になると流通圏は縮小したものの、それまでの壷・甕・すり鉢だけでなく、徳利や油差しなどの食器や仏花瓶のような信仰の場で用いられるやきものを生産するとともに、赤土や藁灰釉・灰釉などの釉薬や櫛目文や刻画文を施すなどして魅力ある製品(画像2)を作り続けていました
【画像2】越前窯《灰釉台鉢》江戸時代(19世紀)
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明治時代
明治時代には磁器に挑戦するとともに、海外への輸出を狙って色絵陶器(画像3)を生産するなど、多彩なやきものが生活に華を添えていました
【画像3】日渉園《急須》明治時代(19世紀)
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昭和時代
大正時代から第二次世界大戦中は困難な時代でしたが、窯の火を絶やすことなく生産が続けられ、戦後には今庄駅で出されていた駅そばで使われるそば皿(画像4)を生産するなど北陸本線と関わりのあるやきものも生み出されていました
【画像4】氷坂焼《そば皿》昭和時代(1950-1962年)
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1948年
地元の研究者、水野九右衛門氏によって越前焼の歴史が解明されたことで、「越前窯は五大古窯に匹敵する」と越前焼の歴史的価値が高く評価され、「日本六古窯」の概念が成立
六 古 窯
*六市町…
越前焼:福井県越前町 瀬戸焼:愛知県瀬戸市 常滑焼:愛知県常滑市
信楽焼:滋賀県甲賀市 丹波焼:兵庫県丹波篠山市 備前焼:岡山県備前市
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1968年
県内窯元の技術向上と越前焼の製品の販路拡張事業を目的として越前焼振興会が結成
越前焼工業協同組合
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1971年
福井県陶芸館を中核とする越前陶芸村が設立されると越前焼への注目度が高まり、現在に続く活況が呈されるようになります
長い歴史と文化を持つ越前焼、その伝統は今でも受け継がれ、福井県内で活躍する作家・窯元によって新たな歴史が生み出されています
越前陶芸村
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1986年
越前焼が経済産業省より伝統的工芸品の指定を受ける
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2017年
文化庁より日本六古窯(越前焼・備前焼・丹波焼・信楽焼・常滑焼・瀬戸焼)が日本遺産の認定を受ける
日本遺産の認定
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2022年
越前焼が特許庁に地域団体商標登録される
ビアマグ